CUROGNACという屋号は、
フランスの故・ポスター画家レイモン・サヴィニャック氏のsavignacと、
私の旧姓を掛け合わせた造語です。
今から15年ほど前、わたしは福岡発信の情報誌を作る会社で
編集部のアシスタントをしていました。
ある日、福岡市南区大橋にあるデザインのセレクトショップ
organ(オルガン)への取材に同行させてもらったときのこと。
店内の素敵なセレクト雑貨に目移りしながら、ふと、
壁に飾られていたsavignacさんのポスターを見、、、釘付けに。
心を奪われた様子のわたしを見て、社員のSちゃんが
「たまちゃんは、クロニャックやね」と言ったのが始まりです。
きっかけは、Sちゃんのひとことでしたが
(本人に数年後話したら そんなコトすっかり忘れてたけど。笑)
savignacさんの絵は、
かわいいけど、ちょっぴりシュール、社会風刺もあり、
絵のアナログでマットな感じも好きで、知れば知るほど大好きに。
90歳を超えても活動を続けてらっしゃるのもいいなぁと思って。
わたしも、おばあちゃんになるまで絵を続けていこうと決めたんです。
コーヒー飲んでるお兄さんの絵は、その頃に描いたもの。
もちろん、本人には無許可でこう名乗っています。。
彼が晩年愛した町である、
フランス北西部の港町・トゥルービル。
パリからは、 サン・ラザールGare St Lazare駅から
Trouville – Deauville行き電車で約2時間ほどの距離です。
独身時代に勢いでパリ旅したときは、
12月で寒すぎるから無理だよと滞在先のファミリーに止められ、
そのかわりに「夏に行ったときのものよ」と
savignacさんのカードをいただき、
パリ服飾美術館のギャラリーショップで、分厚い青の図録を購入し帰国。
(…この時は下調べも不十分だったから、行かなくて正解だったと思う)
その数年後、新婚旅行にパリを選び、
夫と一緒に日帰りでトゥルービルへ。
前回の旅をきっかけにフランス語を習い始めたのに、
残念ながら習熟度が足りず、肝心の美術館の休館日を見落とし
中にスタッフさんがいて一瞬ドアを開けてくれたかと思いきや
明日またおいでと言われ泣きべそかいたのも切ない思い出。。。
トゥルービルの町には、あちこちに、彼の絵があり、
浜辺沿いには、プロムナード・サヴィニャックという、
1キロほどのお散歩道もあります。
パリで生まれ育って、晩年トゥルービルへ移り住んだ彼は、
この町の丘のうえにある墓地に埋葬されています。
棺にも、かもめが絵筆を加えているかわいい絵が。
(訪れる人が多いのか、墓地管理のかたが、
わたしたちを見て「savignac?」と場所を教えてくれました)
savignacさんの墓前に立ち、
自分が名前の一部をいただいてCUROGNACと名乗っていること、
わたしもおばあちゃんになるまで絵描きでいること、
いつかまた、いい報告をしにきます、そんなことを伝えました。
また、いけますように。
サヴィニャックさんを愛するかたは、日本に多くいらっしゃいますよね。
彼のことを知るのにとってもオススメなのは、
ほぼ日刊イトイ新聞の「ポスター描きのサヴィニャックさん」かな♪